Introduction
牧野貴の映画は予期せぬ出会いと別れの映画だ。
街のざわめきとさざ波と鳥のさえずり、木漏れ陽と夜空を漂う星たちと鉄塔の脇を抜けるせせらぎ、光を当てられる事のなかったフィルムの表層に残された傷跡と画家の筆先から滴り落ちる湾曲線とヴィデオコンソールが放つ無機質な光。
遠く隔てられたように視えたできごとが銀幕上に瞬く間に集い、交わり、散る、その様のなんとこの世界に似ていることか。
『2012』において彼の映画は彼に、自身の肉体を駆使して即興で音をつけるよう求めた。純粋視覚芸術として誕生した無声映画時代の上映様式に遡行するかのような活動の場で、ジム・オルークやColleenを始め、世界中の先鋭的で夢幻的な音楽の創造者たちとゾクゾクするような恊働を経てきた映画作家がどんな音を発するのか。
そのこだまはその日その場にいるあなたたちの中に秘められている。準備は出来ただろうか?
街のざわめきとさざ波と鳥のさえずり、木漏れ陽と夜空を漂う星たちと鉄塔の脇を抜けるせせらぎ、光を当てられる事のなかったフィルムの表層に残された傷跡と画家の筆先から滴り落ちる湾曲線とヴィデオコンソールが放つ無機質な光。
遠く隔てられたように視えたできごとが銀幕上に瞬く間に集い、交わり、散る、その様のなんとこの世界に似ていることか。
『2012』において彼の映画は彼に、自身の肉体を駆使して即興で音をつけるよう求めた。純粋視覚芸術として誕生した無声映画時代の上映様式に遡行するかのような活動の場で、ジム・オルークやColleenを始め、世界中の先鋭的で夢幻的な音楽の創造者たちとゾクゾクするような恊働を経てきた映画作家がどんな音を発するのか。
そのこだまはその日その場にいるあなたたちの中に秘められている。準備は出来ただろうか?
Schedule
7月6日(土)
12:00~18:00
『The World』展示上映 ※入場無料
牧野貴作品上映会
open 18:30 / start 19:00
21:30~
音楽の時間 (DJ牧野貴)
12:00~18:00
『The World』展示上映 ※入場無料
牧野貴作品上映会
open 18:30 / start 19:00
21:30~
音楽の時間 (DJ牧野貴)
『The World』 ※展示上映
2009 / 35mm 16mm 8mm / 52min.
Film※デジタル上映
『EVE』
2004 / 16mm / 3min.
『Tranquil』
2007 / 8mm / 17min.
『光の絵巻』
2011 / 35mm 16mm / 16min.
『The Intimate Stars』 ※ライヴ上映
2004 / 16mm / 35min.
『2012』 ※プルフリッヒ3D上映
2013 / 35mm 16mm 8mm / 30min.
第51回アナーバー国際映画祭 最優秀外国映画賞
第29回ハンブルグ国際短編映画祭 最高賞
第42回ロッテルダム国際映画祭 正式招待
第29回ハンブルグ国際短編映画祭 最高賞
第42回ロッテルダム国際映画祭 正式招待
牧野貴が2012年に行ったプロジェクト『2012』は、上映の度にその内容と長さが変化し、音楽は生演奏でつけられると言うものであった。
日本及びヨーロッパで計7回の上映パフォーマンスを実践し、ロッテルダム国際映画祭2013で映像と音をフィックスした映画版『2012』を世界初上映。映画界がデジタル化の波に飲み込まれている中、牧野は映画表現の中に「フィジカルな感覚」及び 「一回性」を組み込む事は可能かという問いを投げかけ続けた。
完成した映画版『2012』は、鑑賞時にプルフリッヒという光学的な効果を使用することにより、3Dのイリュージョンを生み出すことが出来る。映画はとりとめも無く立体的に旋回し、鑑賞者のゲシュタルトを崩壊させ、新しい映画体験を導き出す。かつて無いタイプのアブストラクト3Dシネマがここに誕生した。
日本及びヨーロッパで計7回の上映パフォーマンスを実践し、ロッテルダム国際映画祭2013で映像と音をフィックスした映画版『2012』を世界初上映。映画界がデジタル化の波に飲み込まれている中、牧野は映画表現の中に「フィジカルな感覚」及び 「一回性」を組み込む事は可能かという問いを投げかけ続けた。
完成した映画版『2012』は、鑑賞時にプルフリッヒという光学的な効果を使用することにより、3Dのイリュージョンを生み出すことが出来る。映画はとりとめも無く立体的に旋回し、鑑賞者のゲシュタルトを崩壊させ、新しい映画体験を導き出す。かつて無いタイプのアブストラクト3Dシネマがここに誕生した。
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