[+] screening in Kyoto

Introduction

今回選んだ全ての作品には共通点が有ります。それは今日における映画の発展とは何かという事を無言で問いただす、非常に希有で個性的な主張をする映像作品であるという事です。
全ての作品は、デジタル技術や言葉に依存する事無く、また過去のフィルム文化への偏愛を主張する事も無くそれぞれの方法論において、それぞれの言語において作品を完成させています。
映画の発展とは何か、それは何処から来るのか、それは人間の自由な想像力と発想しか有りません。自由な発想と想像力が映画という魔術的方法と奇跡的に出会った場合にのみ、新しい映画と呼び得るものが突如として、忽然と闇の中に浮かび上がるのです。
現存する技術を購入してマニュアル通りに使用するだけでは絶対に生まれない、豊かな想像力に溢れた魔術的映画を、どうぞ体験して下さい!

2013年5月 牧野貴

Schedule

7月9日(火)
17:30 開場
18:00 上映
19:40 牧野貴ティーチイン
「映画における光学的/魔術的考察」

上映作品
『RECONNAISSANCE』 ヨハン・ルーフ
『RIVER RITES』 ベン・ラッセル
『INITIAL VAPOR』 葉山嶺
『Just Ancient Loops』 ビル・モリソン
『2012』 牧野貴

Film※デジタル上映

『RECONNAISSANCE』
2012 / no sound / 5min.
ヨハン・ルーフ Johann Lurf
1982年ウィーン(オーストリア)生まれ、在住。
ウィーン美術アカデミーで絵画を学んだ後、映像作品やインスタレーションなどを制作するかたわら、映写技師としても働く。ドリー撮影やズームの研究として制作された短編『Vertigo Rush』(2007)がロッテルダム映画祭(2008)に出品されたのをはじめ、世界各国の映画祭や美術展で上映されている。
http://www.johannlurf.net/en/
『RIVER RITES』
2011 / 11.5min.
ベン・ラッセル Ben Russell
1976年アメリカ生まれ。過去の映画作品を用い、編集・加工の操作を加えて、オリジナルの作品とまったく別の文脈や意味を構築する、ファンド・フッテージと呼ばれる手法によるものから、ドキュメンタリーの方法論に基づいた文化人類学的なアプローチのものまで、多様な作品を制作。
2009年トロント国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭など、多くの映画祭で上映されている。また、写真やインスタレーション作品も制作。
『INITIAL VAPOR』
2012 / 13min.
葉山嶺 HAYAMA Rei
1987年神奈川県生まれ。
絵画を学んだ後、2008年より映画制 作を始める。
架空の場所や神話を呼び覚ます彼女の実験的な映画は、人間界と自然界の境界の探求及び人間や都市空間に対照をなすものとしての野生動物および森林といった「他者」を垣間みる試みである。
現像や再撮影のプロセスを通してメディアを自由に横断する映像表現を展開し、作品は世界各国の映画館やギャラリーで上映されている。
http://reihayama.net/
『Just Ancient Loops』
2013 / 25min.
ビル・モリソン Bill Morrison
1965年アメリカ生まれ。
“最も大胆なアメリカ映画作家の一人”と言われ、20年にわたり、30以上のプロジェクトを国内外の映画祭や美術館、コンサートホールなどで幅広く発表。
主に古い映画のフッテージに加工を加え再構築した作品を制作し、現代美術館にも収蔵されている。
また現代音楽の作曲家とのコラボレーションも多数ある。
http://billmorrisonfilm.com/
『2012』 ※プルフリッヒ3D上映
2013 / 35mm 16mm 8mm / 30min.
第51回アナーバー国際映画祭 最優秀外国映画賞
第29回ハンブルグ国際短編映画祭 最高賞
第42回ロッテルダム国際映画祭 正式招待
牧野貴が2012年に行ったプロジェクト『2012』は、上映の度にその内容と長さが変化し、音楽は生演奏でつけられると言うものであった。
日本及びヨーロッパで計7回の上映パフォーマンスを実践し、ロッテルダム国際映画祭2013で映像と音をフィックスした映画版『2012』を世界初上映。映画界がデジタル化の波に飲み込まれている中、牧野は映画表現の中に「フィジカルな感覚」及び 「一回性」を組み込む事は可能かという問いを投げかけ続けた。
完成した映画版『2012』は、鑑賞時にプルフリッヒという光学的な効果を使用することにより、3Dのイリュージョンを生み出すことが出来る。映画はとりとめも無く立体的に旋回し、鑑賞者のゲシュタルトを崩壊させ、新しい映画体験を導き出す。かつて無いタイプのアブストラクト3Dシネマがここに誕生した。

About

料金:500円均一
*同志社大学学生・教職員 無料

会場:同志社大学寒梅館クローバーホール

お問合せ:同志社大学今出川校地学生支援課
tel:075-251-3270

主催:同志社大学今出川校地学生支援課、 [+] plusscreening.org