通常の映画作品のような従来の映画館や施設での上映にとどまることなく、さまざまな空間でのアプローチと実験を繰り返し変容を遂げてきたことに牧野貴の映像と音の自由さが感じられる。
まちがいなく、その特異さの一端を「場所」が担っているといえるだろう。
今回、そのシチュエーションがカフェにある。人が集まり、お酒やコーヒー、食事を楽しみながらささやかな会話を交わす半ば開かれた場所に一時的な暗闇をつくり、観客の個人の記憶、または宇宙そのものの記憶ともいえる映像に牧野自身の即興演奏によるライヴをおこなう。
そして暗闇が溶けたとき、そこはサロンであり、観客がふたたび言葉を交わす現場がある。
３度目の開催となるDOOM！主催のDJ Party -RuffiN'- を舞台に、当日までどうなるかはわからないあっと驚く時間が参加者を待ち受けていることとなるだろう。