2006年に突如として『No is E』を発表後、牧野貴とジム・オルークは通算6本の短編映画において映像と音楽による共同作業を継続してきました。その全ての作品はロッテルダム国際映画祭を始め数多くの国際映画祭、音楽祭や美術館などで高い評価を獲得し、現在でも上映が続いています。EXP2016では、牧野とジムがコラボレーションを始めて10周年を記念し、最新作の世界初上映を含めた特別イベントを開催します。世界が注目する最前衛の二人が繰り広げる最新の映画挑戦をお見逃しなく。
2001年日大芸術学部映画学科撮影・現像コース卒業後、単独で渡英、ブラザーズ・クエイに師事する。2002年よりテレシネ・カラーリストとして多くの劇映画、ミュージックビデオ、CF、アーカイブの色彩調整を担当する傍ら、2004年より単独上映会を開始する。フィルム、ヴィデオを駆使した、実験的要素の極めて高い、濃密な抽象性を持ちながらも、鑑賞者に物語を感じさせる有機的な映画を制作している。2009年には上映組織「+」プラスを立ち上げ、今まで日本に紹介される事の無かった映画作品を多数上映している。2011年より拡張映画プロジェクトを開始、ヨーロッパ、北米、南米、オーストラリア、アジア等数多くの国際映画祭で受賞、上映多数。作品の発表は主に映画祭、映像芸術祭、音楽祭などの他、映画館、美術館やギャラリー、ライブハウスでも行い、その活躍の場は増幅を続けている。現代日本実験映像界を牽引する作家である。
アメリカ出身。10代後半にデレク・ベイリーと出会い、ギターの即興演奏を本格的に始める。その後、実験的要素の強い自身の作品を発表。ジョン・フェイフィの作品をプロデュースする一方でガスター・デル・ソルやルース・ファーなど地元シカゴのバンドやプロジェクトに積極的に参加。「シカゴ音響系」と呼ばれるカテゴリーを確立する。一方で、マース・カニンハム舞踏団の音楽を担当するなど、現代音楽とポスト・ロックの橋渡し的な存在となる。99年にはフォークやミニマル音楽などをミックスしたソロ・アルバム『ユリイカ』を発表。近年ではソニック・ユースのメンバー兼音楽監督としても活動し、数枚のアルバムに参加、より広範な支持を得る。2004年には、"Wilco/A ghost is born"のプロデューサーとして、グラミー賞を受賞。2007年より日本に移住し活発な音楽活動を展開している。
2011/DCP/16:9/19min/soundtrack by ジム・オルーク
2015/DCP/16:9/15min
*関西初上映
*ライブ上映&プルフリッヒ3D上映
大阪市西区九条1-20-24
06-6582-1416
牧野貴(映像)&ジム・オルーク(音楽/ライブ演奏)による新作
タイトル未定/2016/30分予定
In the Spectacle
2005/23min *オリジナルバージョン
*上映前に牧野貴&ジム・オルークによる舞台挨拶あり
新作は常に自身の過去作品に対し、批評的態度をもってそれに呼応する形で制作されます。
この作品では「Cinema Concret」で到達した具体抽象映画の性格を持ち合わせながら、
さらにそれを発展させ構築されています。
映画の構造美を美的感覚で凌駕してこそ傑作が生まれるのだとしたら、
この作品は現時点での僕の最高傑作と言えるでしょう。
初上映の際にはジム・オルークが音楽を演奏します。
彼は過去のコラボレーションに於いて、全て異なる音楽的手法をもって映像と対峙してきました。
今回はどのようなアプローチを試み映画の可能性を拡張するのか、とても楽しみにしています。
2016年8月牧野貴
京都市上京区今出川通り烏丸東入
© 2016 Project EXP.