10/31
『ヴィジット』のことを数日考え愚作だという結論に辿り着いた。これまでのシャマランは「映画」や「フィクション」のことを考えて、だからこそとても大げさなもの(列車事故の生き残りの人間が世界を救ったり、宇宙人からの「標」をそこかしこに感じたり、ストーリーをシャマラン自身が救ったり、地球のその後の世界で大きな鳥に命を救われたり)を何の根拠も脈絡も無く一方的な作り手の確信で持って(それは半ば狂気に満ちている)映し出してきた人だと思う(だからこそ一般の客からはシラけられてきた)けど、今回はこれまでぐちぐちと悩んでいたことを吹っ切って、フィクションのように見せかけながらリアルの側に舵を切るというただただ露悪的な表現に移っていた。ここでは狂気を孕んでいるのはシャマランではなく爺婆の方だった。この映画、本当にシャマランが撮ったんだろうか。もしそうなら今後シャマランに期待することは無い。
10/30
一日車で外出。家にベンジャミンが来た。
先日、iPS細胞の山中さんを追った情熱大陸を見て、この人の前を向く力の素晴らしさに感動し、この本を読んだ。研究者である山中さんがなぜiPS細胞の研究所の主任として全体を統括するようなことをしているのかという、彼自身のヴィジョンと前に進む力強さは情熱大陸の方が詳しかったが、iPS細胞そのもののことや山中さんのこれまでを知るには十分な本だった。しかしこの本の表紙にも見られる彼の眼の鋭さ、視線の強さは少し怖いくらいのものがある。20年、30年後のことを見据えてそこまで走りきることに強い意志を持っている眼というのはああいうものなのだろう。
10/29
『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』を観た。81年のアメリカで灯油を売る会社の社長が主人公。新しい会社らしいのだが業績が良くとても勢いがあり、灯油を運ぶトラックが強盗されるというライバル企業からの攻撃を受けている。その攻撃に対して目には目をという反撃を取ることを決してしない経営者の話だった。原題は「A Most Violent Year」。とても渋い映画だった。
そのあと『ジョン・ウィック』を。嫁が死んだキアヌ・リーヴスのもとにその死んだ嫁からの贈り物として犬が贈られるが、突然の襲撃によってその犬が殺されてしまいキアヌが全力で復習をするというお話。ただただキアヌが暴れ倒す映画で、その理由付けのために映画に殺された嫁と犬が不憫だった。『奪還者』といい、愛犬を埋葬したがる男の話は要注意。
10/28
牧野さんの作品集の販売用ホームページを作った。
http://makinotakashi.net/ceruleanspectacles/
安く買いたい人はゆうちょに振り込んで、クレジット等で簡単に買いたい人はstores.jpでどうぞ。発送は12月中旬予定とのことです。
これを作りながら昨日のソフリットを使ってミートソースを作った。基本的に煮込むだけだけど、トータル4時間近くかかった気がする。そのミートソースを使ってボロネーゼを作ったらこれがほんと最高のうまさだった。個人的にうまさの指標にしている「口の中に入れるとおいしいと感じるけど、その味をあとからはっきりと思い出せない」味になっていた。マクドのハンバーガーなんかは食べなくても味が思い出せるけど、ほんとうにうまいものは簡単には思い出せないんじゃないかと思っている。
10/27
ブレンダーを使ってイタリアンのための下ごしらえ。ソフリットを大量に作って冷凍した。これだけで数時間かかった。
晩ご飯はポモドーロときのことあさりのスープ。やはり丁寧に作るとべらぼうにうまい。みんなに食べさせてあげたいくらいうまかった。
10/26
シャマランの新作『ヴィジット』を観た。いつもまじめに映画やフィクションのことを考えて誰からも無視され続けてきたシャマランがついに吹っ切れたのか、一皮剥けてろくでもない映画を作ってしまった、というか剥けては行けない皮を剥いてしまったのではないかという戸惑いを感じるほどの映画になっていた。まじめなシャマランが好きな人間としては寂しくもあるけれど。
ヨドバシでハンドブレンダーを買ってみた。ハンドブレンダー、流行ってるけどそれほど良い評判もきかないので、とりあえず安かったテスコムのやつを買ってみた。
10/25
昼からスーツを作りに外出。そのあと一緒に行った三田村さんとラーメン食ってケーキ買いに行って帰宅して寝た。
10/24
サタジット・レイの上映が始まってるから見に行こうかと思ったが、夜のイベントのお誘いが来たので行くのをやめて先日の牧野さんと川崎さんのトークの文字起こし作業をした。その作業をある程度進めてから、上田さんと神戸へ行き、元町でホルモンうどん食ってコーヒー飲んで(E.H.BANKのアイスコーヒーうまかった!)雨に降られながらだらだらと大事な話と大事じゃない話をした。そのあときんたまと合流してuniversoundsの二人のDJを聴きに行った。タバコが充満した密室に閉じ込められたからかなぜか喉が嗄れた。
10/23
『ローリング』を楽日に観た。シーンやショットに驚く、ということが無かったことに驚いた。
ツイッターだったかでジュンク堂渋谷の記事が流れて来て、気分が悪くなった。ジュンク堂に文句を言った人は論外として、闘うと言ってた渋谷店のツイッターアカウント主がまず何よりやるべきだった闘いは目の前の仕事仲間や上司に理解を促すことだったんじゃないか。抽象的な「闘い」ではなく、遥かに現実的な「闘い」はそこかしこにある。
10/22
昨日、友達二人がうちに泊まりに来て、そのうち一人が家に来るなり靴下を脱いでそれをみんなの目につくところに置いて、結局帰るまでそのまま放置していてた。しかも安い靴下なのか、糸くずのかたまりみたいなのがフローリングにちらばってた。あとちょっと臭かった。臭いのは仕方ないし、靴下脱いだことで糸くずが落ちるのもまぁ仕方ないけども、人目につくところに靴下を脱ぐのは育ちの悪さ以外のなにものでもないなと思った。でもその育ちの悪さこそどうしようもないものだから、総じて仕方のないことなんだけども。
10/21
声優科の授業の日。なかなかいい時間になったと思う。
FM DOOM!の新しいのが公開された。
http://doom-insight.net/archives/806
一曲目めっちゃかっこ良かったから上田さんに聞いたらこれの曲だったということでさっそく購入。あとmitsu the beatsの愛犬MARUの写真集&CDもゲット。
10/20
携帯をsoftbankからdocomoに変えた。のりかえのためにsoftbankの予約番号というやつを手に入れないといけないということで手続きをしようとsoftbankに行ったら、店員がおもむろにのりかえ用の電話窓口に電話をかけはじめこちらに受話器を渡してきた。そしてそのままオペレーターの人とのやりとりで手続きはすべて完了。どうやら店に来なくても出来るという事らしいのだけど、だからって窓口まで来てるのに電話をさせられるというのはなんとも微妙な時間だった。
10/19
体調がやや快復したので『アントマン』を観に行った。めっちゃおもろかった。小さくなって闘うって設定がものすごくばかばかしいのだけど、そのばかばかしさがしっかりと映されてた。アベンジャーズになんかならずにこのままピンで活躍してほしい。
書類を送ろうと近所のポストに行ったらポストが消えていた。気にかけてないといつのまにかなんでも無くなるご時世ですね。
10/18
風邪で一日中寝ていた。夢は全然見なかった。寝すぎて夢もネタ切れなんだと思う。
10/17
上田さんからFM DOOM!の音源が届いた。最終のミックスダウンをしようとパソコンを開くが、モニターに焦点が定まらない。どうやら風邪を引いたらしい。予定していたことがどれもできず、ミックスダウンもできず。ダウン。しんどい。
10/16
歯ブラシを昔使っていたバトラーのものにしたら、さすがにかなりいい感じだった。でも#233よりもう少し堅いものにしてもいいかもしれない。
ベイビーステップ新刊、やっとタクマ戦が終わった。決まったときの応援している友人たちの表情がとてもよかった。
10/15
昼からテニスを観に靭公園へ。これからプロになろうとしているジュニア選手の世界大会なので、プロの試合以上に切実さと勝負の生々しさが見えてしんどいところもありながら、質の高いテニスを間近で見れたのはとても良かった。
そのあと京都へ牧野さんと渡邊さんの上映/上演へ。『cinéma concret』でも思ったけど、ゆらゆらと赤く光る水面がだんだんと火のように見えていくイメージがすごい。これまであらゆる表現の中で「水」と「火」をこのような形で同時に感じさせる表現を達成した人なんていないんじゃないだろうか。燃える水。
打ち上げはEXPを兼ねてのものだと言ってくれてたけど、昼からの外出で日差しを浴びすぎて頭痛が酷かったので断念。山形帰りの牧野さんと話したかったし、東京からみんな来てたのに申し訳ない。
10/14
本日は鍋初め。もちろん水炊きで。
まだ冬には早いので、白菜もネギもこれからおいしくなるんだろうな、という味だった。
10/13
この間買ったバジルを使ってジェノベーゼを作ってみた。せっかくだからとリングィーネを買いに行ったのに、家に帰って見てみたら普通のスパゲッティーニだった。ミキサーがないので葉っぱをみじん切りにしたのだけど、やはりみじん切りにも限界があって細かく出来ず、結果的にあまりおいしくなかった。なんかお腹もあまりふくれなかったので簡単にカルボナーラを作った。
10/12
金欠は勉強がはかどる。ということでお勉強の一日。あとこの本読んだ。
「おーい!おーちゃん!―自閉症の弟と私のハッピーデイズ」
知人のご家族が書かれた本。この記事が良かったので買ってみた。苦労もいろいろとあるだろうに、自閉症の家族がいたからこそのエピソードが様々に綴られていて楽しく読んだ。
10/11
スイートバジルの苗(と呼ぶには育ちすぎているやつ)を買ったけど、これから冬になるから育てられないと後になって気がついた。
何かを家具を作ろうかとあれこれ採寸してみて、何かとめんどくさそうだったのでとりあえず頭の中で寝かせてみることにした。
10/10
錦織負けた。ペールが途中から俄然良くなって、対応出来ないまま終わったという感じか。残念だけどペールが良かったので仕方ない。
たまっていた事務仕事も終わったので、部屋の整理をするか、がっつり勉強するか、あるいは靴箱でも作るか迷う。外壁工事をしている今のうちなら音のこと気にせず作業できていいんだけども。
10/9
iPhoneからツイッターとfacebookのアプリを消した。この間モヤウに行った時、上映中の受付をしないといけなくて1時間くらいぼーっと目の前の川を眺めてたんだけどその時間が案外悪くなくて、この退屈を味わうためにとりあえずアプリを消してみた。
歯ブラシを買い替えた。いつも歯ブラシはデンターシステマ(コンパクトやわらかめ)を使っている。歯ブラシに求めるのは「奥歯の奥まで磨けるか」「歯の隙間が磨けるか」が第一で、あとはつるつるになれば直よしという感じ。あれこれ試した中で今のところこれがベストなんだけど、つるつる感では物足りなさを感じている。クリニカアドバンテージ(コンパクトやわらかめ)を見てたら良さそうだったから買ってみた。奥まで磨けるんだけど、隙間には入らず。歯ブラシをよくみると毛が短かった。その分つるつるにはなるんだけど、たぶんこれだと歯茎の健康はあまり良くない。ということなる早で買い替えることにする。
錦織対チリッチ、すごくいい試合だった。闘いながら勝ち方を発見していく強さが見れた。
10/8
ここしばらく忙しかったためにほったらかしていた事務作業を。といっても領収書や振込等々の整理なのだけど、振り返ると6月から溜まっていた。6月、映画の半券が手元に残っているものだけでも20枚近くあった。金が無いなりに案外見てるものだなぁ。。。
10/7
久しぶりに調子良くテニスをする錦織を見た。抑えたプレーをするバブリンカも良かった。
晩飯は近所の焼肉屋へ。さすがに顔を覚えられていた。相変わらず極上の美味さ。隣に座っていた所得の高そうなおっさんが税金納めまくりで吐きそうだと言っていた。生活保護を受けながらブランド品を買ったりする奴をアホかと言ってて、税金をたくさん納めてたらそういう気持ちにもなるのかなと思いつつ、こんなうまいもん食いながらそんなつまらん話をするお前の方がアホだと思った。しかしこういう些細な感情から格差のある互いへの感情がぶつかり合うようになるのだから、アホで済む話でもないのだけど。
10/6
楽天ジャパンオープンを見ながら少しのんびり。同志社に5時くらいに着いてからものんびり。
今日の『cinéma concret』上映とトークはとても素晴らしい時間だった。『cinéma concret』がこれまでの牧野作品の一つの到達点であり、これまでよりどのような挑戦をしているのかが明確に読み取ることができた。研究者と作家の立場から、お互いの挑戦と実践が呼吸し合ってより高い場所に進もうとするスリリングな言葉は感動的ですらあった。
10/5
昨日の上映のあと、上田さんとやまみーは京都なのでうちに泊まっていった。昼になっても寝てるのでとりあえず昼飯作ってたら出来上がりを狙っていたかのようなタイミングで起きて来た。ご飯を食べてコーヒー飲んで少しだけゆっくりしてから車で京都へ。途中、上田さんの家に寄って機材をピックアップ。子供たちがちょうど家に居なくて会えなかったのは残念だけど、こうちゃんの自習ノートが置いてあって、そこに「秋の気記」と書いてあった。たぶん「気配」の書き間違えだと思う。こういう間違え方って言葉の意味や音が身体に馴染んでいない子供独特のものなんじゃないかな。ぱっと見、何を間違ってるのかわからなかった。
JAPONICAの準備はさすがに三年目だけあってとても順調に進んだ。けど結局あれこれあって開場直前までばたばたはしたけれど、これまでのように一人でテンパるようなことはなくてしんどくなかった。みんなお酒飲んで楽しそうだった。『Inter View』のあと、タラちゃんのミュージックビデオになっている『Wordless in Woods』か『Article Left by the Departed』をリクエストすれば良かったと帰りの電車で後悔。
10/4
今日はシネ・ヌーヴォでの上映。上映までの準備時間が30分ほどありながら直前までばたばたしてしまった。上映後のトークでは昨年出たPlus Documents 2009-2013でも書かれていたようなことを牧野さんに改めて言葉にしてもらうというのが主な内容ではあったのだけど、牧野さんの映画に対する問題意識や作家としての責任と挑戦を言葉にしてもらったことで、少なからずこれまで以上に何かが伝わった手応えは得られた。
10/3
ツアーに同行するために尼崎で牧野さん住野くん神山くん三田村さんと合流し岡山に出発。住野君の借りた格安レンタカーが一昔前の車で今時の軽四より小さく、男5人がぎゅうぎゅうになって進んだ。
モヤウはほんとうに居心地のいいカフェで、その地下室を借りての上映。スクリーンではじめて観た『cinéma concret』は幾重にも重ねられたイメージがあの世とこの世をさまよいながら解放され、同時にイメージを改めて取り戻すような、多幸感と悲しみが同時にある作品だった。
10/2
明日からEXPが始まるのでその準備をあれこれ。原付にガソリンを入れに行って、ついでにタイヤに空気を入れてもらったりしていたらおつりを取るの忘れてしまった。すぐに取りに戻ったけど時すでに遅し。セルフなので自分が悪いのだけど、なんともとてもやるせない気持ちになった。
10/1
やっとホウ・シャオシェンの『黒衣の刺客』を。カメラと音響の存在感がやはり桁違いで、とんでもない時空が広がっていた。それから初日に『岸辺の旅』を。ファーストカットが出る前の一音を聴いた瞬間から『トウキョウソナタ』の気配を感じたからか、今回はドーナツの話ではなく白玉(あるいは皮と餡)の映画なのだなということがすんなりと入って来た。
黒沢清の映画での「岸辺」とはもちろんあの世とこの世を隔てる岸辺なのだけど、その岸辺を行ったり来たりするのは決して死んだ人間だけでなく、死んだ人間に取り憑かれるからか彼らを想うからなのか、おそろしささえも感じられる愛が不意に浮かびなんとも言えない気持ちが続いた。人間的な演技に徹する深津絵里と、得体のしれない怪物のようでもある浅野忠信の二人の演技が素晴らしかった。