東馬高子 (劇場勤務)
平野勝之の8ミリ作品に激しくショックを受ける。しばらくの間、映画はカメラの視線だ!とかなんとかうわごとみたいにつぶやいてました。おかげでそれまでに観た映画は吹っ飛んでしまうし、何を観てもピンと来ない状態が続いてしまいました。
1位
『サウダーヂ』
大晦日に爆音上映で観て、東京で新年を迎えました。2011年の映画鑑賞を最高の傑作で締めくくることができて幸せです。もちろん2012年の始まりにもふさわしく。
2位
『海炭市叙景』
名古屋は2月公開でした。妻を殴る加瀬亮は映画を飛び越えて恐ろしい。人間が持つ、強さや弱さや明るさや暗さ、全てが、かけがえのない光を放つ。谷村美月が窓辺に佇み溜息をつく美しいショットが忘れられない。
3位
『さすらいの女神たち』
ラストにむかってマチュー・アマルリックが解放されていくさまに、安堵し、涙し、爆発す。マチュー大好き。マチューにチューです。
4位
『大鹿村騒動記』
いっぱい笑っていっぱい泣きました。観た後、呑みに行ってわいわい騒いだ。
5位
『エリックを探して』
失業、貧困、移民、ドラッグ、青少年の非行などの暗くて重たいテーマがあっけらかんと、狂気とユーモアの紙一重で描かれている。サッカー仲間の馬鹿馬鹿しさも楽しい。
6位
『心中天使』
世界が一変してしまうこと。心中=どこか違う場所へ移り、別人になってしまうこと。大なり小なりそのような変化は絶えずあるのだろうなあと怖くなりました。同時期に監督である一尾さんの大学時代の8ミリをフィルムで観て、撮影やショットの美しさと異様さに驚愕。35ミリでも変わることはなく。
7位
『ヒア アフター』
観た当時はこの話ばっかりしてました。『心中天使』もですが、観終わって、自分が誰で、どこにいるのかわからなくなりました。そんな映画が好きです。
8位
『東京公園』
窮地に立たされた人間は訳のわからないことをやってしまう。わんわん泣きたいのをこらえている。なんていじらしくて愛おしいんでしょう。
9位
『パレルモ・シューティング』
デジタルとアナログについてじっくり考えました。
10位
『カーズ2』
キャラクターが存分に活かされた物語の展開とスリルと迫力満点のカーアクションに笑って泣いて、観た後はきれいさっぱり。ただただ楽しかったという記憶しか残らなくて驚きました。