爆音GO WEST『爆音映画祭in関西』のためのささやかなレポート

review

 爆音の夜明けはチラシ配りとともにはじまる……

 ……といってももちろん、作品の選定やらスケジューリング、チラシのデザインや入稿作業、機材の準備などなど、企画者のほうでは、もろもろのややこしい作業がたくさんある。じぶんの場合は、とりあえず、できる範囲で、かんたんなチラシ配りというところから合流して、ちょっとした宣伝作業に携わることになっている。べつにだれが決めたというわけでなく、自らの意思でそう決めた。

 そもそも、なんでチラシ配りを手伝うことになったかという経緯を。

 ある日、ネットサーフィンしてたら、地元大阪で爆音上映をやるという話題を目にした。もともと、爆音上映のファンだったじぶんは、その企画を大阪で実現したDOOM!という集団に興味を持つようになり、ブログなどをときどきチェックするようになった。ざんねんながら、そのときのゴダール『映画史』の爆音は、身体の具合が悪くて、行けなかった。

 それから、体調もだいぶましになってきた頃、また爆音上映を大阪でやるよ、今回は京都でもやるよ、という噂を聞きつけた。しかも、上映作品は、大好きな侯孝賢監督の『憂鬱な楽園』とジム・ジャームッシュの『リミッツ・オブ・コントロール』だ。いてもたっていられなくなったじぶんは、気づいたらDOOM!宛てにメールをしたためていた。というか、すでに送信していた。ああ、ちょっといきなりすぎたかな、失礼だったかなとか、じつはいろいろ悩んだりもしていたのだけど、話は早かった。次の日にはもう、一度会って話しませんか?ってことになっていた。この身軽さが後に、彼らの身上であり信条であることがわかってくる。

 はじめて会ったのはどこだったかな。梅田の焼肉屋かどっかだったと思う。そのあとスタバに移動して……こまかいことはいいとして、ここでも話は早かった。というか、やたらと話が合った。映画についてだけでなく、音楽のことや、彼らのスタンスのこと、チームではなくクルーみたいなもんだから、べつに誰にどういう役割があってそれをやらなくちゃいけないとかぢゃなくて、都合に合わせて好きなように出入り自由に、とにかく楽しんでもらえたら幸いと、そういうふうに説明された。じっさい、そんなかんじだった。この気楽さ、ある種のゆるさもまた、彼らのスタイルだった。それはいまでも変わらない。むしろひどくなっていってるような……(笑) けれどそれは、じぶんみたいに生活や体調に不安を抱えている者にとっては、ほんとに気兼ねなく楽しめる、いいかんじの気楽さでありゆるさであり、そんなノリだから、いまでも彼らとの付き合いは続けられているのだと思う。 

 で、前回の大阪・京都での爆音が見事盛況に終わり、今回の爆音映画祭である。作品数も多いし、今回は劇場も絡んでの企画ということで、スケールが大きくなっていた。当然、前以上に、宣伝にも力を入れなければならない。ほっといても映画館にひとが集まるような状況ではないのは、映画業界ではもはや周知の事実だし、それはべつに映画に限ったことではなく、興行を打つ側にとっては共通した悩みであり認識だろう。いち観客でしかないじぶんでさえよく耳にする話だ。

 とはいっても、なんだかんだで、おもしろけりゃ、ひとは集まってくるもの。それは前回の大阪・京都での爆音上映のときに、手応えがあった。集まってくるのはお客さんだけではない。じぶんも含め、ほかにも何人かの若者が、気づいたら一緒になって、わいわいと賑やかに宣伝活動に携わるようになっていた。

 さっき「かんたんな」と書いたけど、チラシ配りといっても、たしかになんだか地味な印象があるけども、やってみたらこれがなかなかに奥が深いもんで。ちょっとした探偵気分で、街を散策し、置いてくれそうな店を探り当て、見つけたらみつけたで、爆音上映という企画の趣旨、おもしろさを、言葉で伝えなきゃいけない場面にも遭遇する。「爆音」という言葉になんとなく腰が引けてしまっているなというひとには、これがたんに音をデカくするだけぢゃなくって、ちゃんとバランス良く、いいかんじの音響に調整するので、耳が痛いとかそういうのとはちがうんですよお、とか、逆に「爆音」という響き、今回の上映作品でいうとソニック・ユースが音楽担当してる『デーモンラヴァー』なんかに反応してくれたひとには、もうブリブリのゴリゴリのグワングワンなんで期待してください、なんつって、つい調子に乗ってアホみたいなトークを展開する。いやじっさい、どっちの要素もあるんで、嘘ではないんですけどね……『デーモンラヴァー』ほんとスゴかった!!

 それと今回は、それぞれ仕事や生活もあるし、タイミング的にチラシ撒きの時間が限られていたため、皆で手分けして一斉に配っていこう、という話にもなった。でもまあけっきょく、なんだかんだで、ほとんど毎回のように、いつのまにやらチラシ置いてもらったいいかんじのお店に集合することになって、お茶飲みながらだらだらしょーもない話題に花を咲かせたり、愚痴を言い合ったり、レコ屋巡りしながら、このLPヤバいんだよねえとかなんとか、ふつうの友達付き合いの延長みたいなかんじで、遊んでいただけのような時間も多かった。もちろん、ちゃんとそれぞれしっかりチラシは撒いたのだが、この一見無駄とも思える時間が、これまた後々効いてくる。

 なんせ、いろんなヤツが集まってきて、「出入り自由の流動的なクルー」としてテキトーに動いているので、なんとなく顔を合わせてはいたけど、そのひととなりまではお互いよく知らない仲間もいた(そしていまだに全貌をつかめていないという……上田さんいわく全員がDOOM!らしいです)。それが、こうした時間を設けることで、知らなかった一面や、共通の趣味嗜好の話題などで、親交を深めることができる。そうなると、自然とチームワークができあがってきて、急な事態にもうまいこと対処できるようになってくる。たとえば、今回でいえば、物販の用意や販売に関しては、そん

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